いまを伝え、未来を創る。

「民間放送ガバナンス指針」に基づく公表事項

民間放送ガバナンス指針【https://j-ba.or.jp/stance/governance.html】

基本原則1.「公共性の発揮」について

(1)公共の福祉の実現に寄与できるよう番組制作に取り組みます。

 当社では、様々な事業活動を進めるうえでの「基本理念」として「私たちが目指す日本海テレビ像」を2025年4月に定めました。 その中では「地域の安心・安全、課題解決、豊かで平穏な社会と生活、知る権利に資する発信」や「学び、安らぎ、楽しみを提供し、暮らしと健康に役立ち、親しまれるコンテンツ展開」などを掲げています。 持続可能な地域の創生・再生・振興に向け、放送や映像コンテンツ、サービスの提供などを通じ、山陰地方及び社会全体の平和と豊かさに貢献できるよう努めてまいります。
【私たちが目指す日本海テレビ像 https://www.nkt-tv.co.jp/annai/vision.html】

 番組制作にあたっては、国民共有の財産である電波を預かっていることを自覚し、公共の福祉に資することができるよう地域の情報発信に努めています。主な自主制作番組は以下のとおりです。

(2)知る権利にこたえ、健全な民主主義の発展に貢献できるよう公正な報道を行います。

 当社は放送基準において、「報道活動は市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づき、公正でなければならない」と報道の責任について明確に定めています。近年、フェイクニュースの存在が問題となる中、報道にあたっては「正確な情報」を迅速・的確に視聴者の皆様へ提供することを強く意識しています。特に、意見や立場が対立している報道テーマを取り扱う際には、様々な視点や主張を紹介することを心がけ、公平・公正な情報発信を行っています。放送だけでなく、デジタルメディアも活用して地域の皆様に必要な情報を届けることにも力を入れています。情報発信の際には正確性を担保するため、取材先や情報源の確認を徹底しています。また、ドキュメンタリーの制作にも力を入れており、2025年8月に全国放送したNNNドキュメント'25「ガマが消える前に 埋もれゆく戦争の記憶」は、ギャラクシー賞上期奨励賞を受賞しました。今後もドキュメンタリーなどを含む、日々の報道番組の制作と放送を通して、健全な民主主義の発展に寄与してまいります。

(3)災害報道、字幕・解説・手話放送を実施します。

■災害報道
 災害に関する報道は、地域に暮らす住民の皆様の生命・財産を守るためのものであり、当社が最も力を入れている分野のひとつです。 2026年1月6日午前、島根県東部を震源とする最大震度5強の地震が発生した際には、通常の番組放送を取りやめ、ただちに災害放送を実施しました。 放送にあたっては中継映像を多く用いて、地震による被害の有無や交通機関への影響など最新情報を的確に伝えるよう努めました。 また、放送中にも緊急地震速報が複数回出されたことから、身を守り、落ち着いて行動するよう放送の中で呼びかけも行いました。当該災害放送は、定時ニュースが始まるまでの約1時間の実施となりました。 地震だけではなく、過去には、大雨特別警報が発表された際にも通常の番組放送を取りやめ災害放送を実施した実績があります。 今後も災害時には必要に応じて自治体など関係機関と連携しながら、地域住民の皆様の避難や安全確保につながる情報の発信に努めてまいります。
 また、平日の夕方に放送しているローカルニュースでは月に1度、防災企画を放送しています。「南海トラフ地震の被害想定」、「長周期地震動」、「土砂災害警戒区域」などのテーマを定め、くわしく解説することで、防災について多くの方に自分事として考えていただけるよう取り組んでいます。
 そして、災害放送の訓練を定期的に行うなどして報道制作局の対応力強化を図り、地域の安全確保に必要な情報提供と防災力向上に寄与できるよう努めています。

■字幕・解説・手話放送
 行政指針の普及目標の対象放送時間に占める各放送の実績は、いずれも指針の目標を達成しています。2025年度のサンプリング期間における字幕・解説・手話放送の放送実績は以下のとおりです。

  • 字幕放送
    対象放送時間11,808分に対し、字幕放送は10,945分放送し、割合は92.69%となりました。
    2027年度までの総務省指針の普及目標80%以上を達成しています。
  • 解説放送
    対象放送時間5,364分に対し、解説放送は769分放送し、割合は14.34%となりました。
    2027年度までの総務省指針の普及目標10%以上を達成しています。
  • 手話放送
    1週間当たりの手話放送は平均で15分でした。
    2027年度までの総務省指針の目標15分以上を達成しています。
(4)地域ジャーナリズムの役割を果たすとともに、地域活性化や次世代育成に貢献します。

 当社では、ローカルニュースの特集コーナーに加え、月1回放送のローカルドキュメンタリ―番組「イチスペ!」において、地域課題や地域活性化への取り組みなどを積極的に紹介し、「山陰地方の今」を発信しています。 継続的に取材し、伝えていくことで、地域の課題を視聴者の皆様が認識し、自分事として考えていただくことを目的としています。 例えば、2025年度の「イチスペ!」で取り上げたテーマは「子ども落語の復活」「バドミントン実業団チームのトップリーグ挑戦」「戦争遺跡を調査する男性の思い」などです。 今後も地域ジャーナリズムの担い手としての機能が果たせるよう、地域を見つめ、地域に寄り添う放送に努めてまいります。 また、地域の文化や経済の振興に資することを目的とし、自治体や地元の企業・団体とのつながりを強化し、山陰の魅力を発信するイベント開催などに力を入れています。 2025年度には、大阪・関西万博会場での鳥取県のイベント「今日は一日鳥取県」を運営したほか、「全国過疎問題シンポジウムinとっとり」、「若年層向け献血普及啓発事業」、「中海・宍道湖ラムサール条約登録20周年記念事業」、「しまねご縁ラボ事業」など、山陰両県における大型イベントを自治体や地元企業と協力して実施しました。 2026年度も「ぼうさいこくたい2026in鳥取」、「島根県首都圏メディアリレーション業務」、「美又温泉の広報業務」など、山陰地方から全国へ情報発信するイベント・企画を実施予定です。 加えて2025年度からは、サッカーの元日本代表や現役選手を招いての「とっとりサッカーフェスティバル」を企画、実施しています。未来ある子どもたちの夢をかなえる地域貢献事業として、今後も継続実施する方針です。 その他にも、鳥取県倉吉市が舞台となった映画「遥かな町へ」(2026年10月公開)を盛り上げる番組制作や、新たに指定管理を始めた温泉施設「湯谷荘」でのサウナイベントなども実施し、地域活性化につながる山陰の魅力を広く発信できるよう努めています。
 また、未来を担う子どもたちに向けて、放送の仕組みや機材を知ってもらう局内見学や職業体験の受け入れを行っています。2025年度は小学校4校の局内見学と中学校3校の職業体験を受け入れ、放送の仕組みや放送機材で何ができるのかなどについて説明等を行いました。今後も地域のテレビ局に親しみを持っていただけるよう局内見学と職場体験を積極的に受け入れてまいります。
 そのほか、出前授業として「出張!アナウンサー読み聞かせ」を毎年実施しています。2025年度は、山陰両県の保育園・幼稚園・小学校で計11回実施しました。島根県生まれの環境絵本「地球の秘密」などの読み聞かせに加え、「音読講座」や「キャリア教育」も行い、子どもたちの豊かな言語感覚や読書への親しみを育むとともに、地域における教育・文化活動の支援に努めております。さらに、メディアリテラシー講座を2025年度は放課後児童クラブで3回実施しました。フェイクニュースの見分け方や情報発信の責任について解説し、子どもたちに正しく安全にメディアに接してもらう取り組みを進めています。

基本原則2.「人権尊重の徹底」について

(1)事業活動全般において人権尊重を徹底します。

 2026年3月に「日本海テレビ人権方針(https://www.nkt-tv.co.jp/annai/humanrights.html)」を策定しました。あらゆる差別やハラスメントを禁止とし、労働者の権利を尊重し、メディアとしての姿勢を示すなどした内容です。 この人権方針の適用範囲にはグループ会社も含めており、日本海テレビグループ全体で人権尊重を徹底していく方針です。 具体的な取り組みのひとつとして、当社では「人権とハラスメントに関する全社アンケート」を実施しております。 職場における面談などに加えアンケートを実施することで、人権侵害やハラスメントの有無を広く確認し、必要な改善措置につなげることを目的としており、引き続き定期的に実施していく方針です。 また、新たな取り組みとして、取引先と継続的な契約を結ぶ場合、契約条項に「人権尊重条項」を盛り込んでいます。 差別やハラスメント、フリーランスを含む出演者やスタッフへの強要、不当に短い納期設定などを禁止する内容となっています。
 引き続き、人権尊重の徹底を企業活動を進めるうえでの最重要事項の1つとして強く意識し、あらゆるステークホルダーと協力しながら、社会全体の人権意識の向上につながるよう取り組みを進めます。

(2)人権が尊重される社内体制を構築して、継続的に改善を行います。

 当社では、公益通報の対象となる不正行為について、社内外に通報窓口を設置しています。社内通報窓口は経営管理局法務・監査室に、社外通報窓口は外部の弁護士事務所と契約し、設置しています。 それぞれの通報窓口については、ハラスメント等の研修実施時に案内をしているほか、社内ポータルサイトへの掲載、社内アンケート実施に合わせてのメール等で社内周知も行っております。 また、ハラスメントなどの相談・通報については、経営管理局の総務人事部と法務・監査室が社内窓口となり対応し、社外窓口については民放連が設置した相談窓口を利用することとしています。 相談・通報窓口については、取引先にも周知しており、広く相談・通報を受け付ける体制を構築しました。
 また、さらなる取り組みとして社員研修も実施することとしています。今年度の予定としては「AIと人権」「ハラスメント」をテーマにしての動画研修を予定しているほか、 国の指定法人による「自殺報道ガイドライン」の勉強会を法務担当者とSNS担当者などが受講しており、継続的に意識の向上を図ってまいります。
 今年6月には役員が新体制となり、新たに就任した二河伊知郎代表取締役社長は社員への訓示において「報道機関である我々には一段と高い倫理性が求められる」と述べ、 役職員1人1人が周りへの敬意を念頭に業務に当たるよう呼びかけました。

基本原則3.「法令や社会規範の遵守」について

(1)高い公共性が求められる放送事業者であることを自覚し、法令や社会規範を遵守します。

 当社ではコンプライアンスに関する担当部署を経営管理局の法務・監査室と総務人事部としており、役職員や取引先などからの相談を広く受け付ける体制としています。 また、日本海テレビコンプライアンス行動規範憲章(https://www.nkt-tv.co.jp/annai/compliance.html)では、 「法令遵守」「視聴者・国民への奉仕」「人権尊重」「取引先との良好・健全な関係」などを定め、役職員1人1人が企業活動を進めるうえでの規範としています。 不正行為の早期の発見・改善を目的とした公益通報窓口を社内外に設置しているほか、ハラスメントなどを受け付ける相談窓口も社内外にあります。 社内における取り組みとしては、社内の風通しを良くし、コンプライアンスなどに関する悩みの有無を確認するため、上司と部下の面談を実施しています。 新たな取り組みとしては、コンプライアンスなどに関するリスクをリストアップし、年に1度点検する仕組みを2026年度に構築することを目指しており、今後もより良い社内制度や取り組みとするための見直しと改善を続けます。
 また、働き方の改善の取り組みを進めており、当社職員に対しては、有給休暇の取得、長時間労働の防止、育児・介護休暇制度などについて社内会議や社内文書で呼びかけています。 職場の安全衛生や働きやすさの向上を図り、健康的な職場環境の整備に努めてまいります。

(2)高い倫理観と職業意識を養い、公正で透明な事業活動を行います。

 2025年4月に策定した「私たちが目指す日本海テレビ像」においては「コンプライアンスとガバナンスを徹底して、積極的かつ虚心坦懐に諸課題に向き合い、安定して前進し続ける組織」を目指す像の1つとして掲げており、 報道機関としてコンプライアンスを会社の大切な土台となるもののひとつと考えています。法令や会社ルールを遵守するのはもちろんですが、 視聴者や取引先など全てのステークホルダーの皆様に対して誠実に向き合い、公正な企業活動を推進してまいります。
 当社では2023年、24時間テレビの寄付金着服が発覚し、視聴者の皆様、広告主や取引先、系列局全体に多大なご迷惑をおかけしました。 当社ではそれ以降、役職員一丸となって、二度と不祥事を起こさないという強い思いでコンプライアンスとガバナンスの徹底に関する取り組みを続けています。 街頭募金活動の運用ルールも大きく見直し、皆様の善意を安心して預けていただける態勢の構築を続けてまいります。下記は、不正対策として適用した主な運用ルールです。

  • キャッシュレス募金を導入することで現金の取り扱いを減らします。
  • 2名以上の社員で活動することで相互監視を行うとともに、警備員も配置して監視を強化します。
  • 寄付金が入った容器はシールで封印し、台帳に記録して管理します。
  • 金融機関への寄付金の運搬等は、全て専門業者に委託します。

以上のようにルールを厳格化したうえで、スタッフ間で周知徹底し、活動を継続しています。これらのルールは運用状況を定期的に確認・検証し、必要に応じて改善を行って再発防止に努めます。 企業運営においても新たな社内ルールの整備や見直しなどを進めているほか、全役職員の研修や勉強会への参加によるコンプライアンス意識の向上を図っています。 今年度は、「ハラスメント」「AIと人権」などをテーマとした研修を実施予定です。引き続き、報道機関としての倫理観を養い、 コンプライアンスを徹底するための不断の検討を進め、「私たちが目指す日本海テレビ像」への高いレベルでの到達を目指します。
 また、当社では、持続可能でより良い社会の実現を目指すSDGs活動にも力を入れています。山陰各地で行われているSDGs活動をニュースや番組で紹介しているほか、会社としての取り組みを進めています。 例えば、ラムサール条約の登録湿地「中海」と山陰海岸世界ジオパーク内のジオサイト「鳥取砂丘」の環境保護活動に参加し、ゴミ拾いや除草活動を行っています。 また、未来を担う子どもたちのため「出張!アナウンサー読み聞かせ」による環境絵本などの紹介、「環境絵画コンクール」、「環境ワークショップ」を毎年実施し、環境について子どもたちに考えてもらうきっかけとなるよう活動しています。 他にも、島根県生まれの環境絵本「地球の秘密」を題材とした県民ミュージカル「あいと地球と競売人」へのサポートを継続しています。

基本原則4.「透明性の向上」について

(1)企業経営にかかわる諸情報の積極的な開示を行います。
(2)ステークホルダーとの対話の回路を強化するなどし、番組制作に生かします。

 当社では現在、放送エリア内に居住している有識者7名に番組審議会委員を委嘱しています。活発な議論を行えるよう審議会には審議対象番組の担当者も出席し、意見交換を直接行える態勢としています。 審議内容については、当社のホームページに公開しています。また、一部番組については、様々な年代の方による意見交換の場を作り、率直な意見をいただく場としています。 このほか、指定番組を視聴してもらい感想を提出していただく番組モニターや、メール、アプリ、ホームページなどから番組への意見を幅広く受け付けています。 実際に、夕方のローカルニュースの画面左上に天気情報を常時表示してほしいとの要望を反映させたケースや、大学生からの要望を受け番組の動画配信を始めたケースなどがあります。 今後も視聴者の皆様からの意見を大切にしながら、地域に寄り添った丁寧な番組作りを進めます。
 BPO(放送倫理・番組向上機構)が行う委員会決定などについては、資料を社内で回覧するほか、社内会議資料や社内メール等で共有しています。 BPOだけでなく、総務省や民放連など各機関の決定・提言等は社内周知を図り、常に知識、価値観、考え方などについてアップデートを続け、コンテンツ制作の現場等に反映させています。

基本原則5.「適切な経営体制の確立」について

(1)会社業務を適切に監督するための取締役会運営を行います。

 当社の取締役会は取締役10名で構成されており、半数にあたる5名が社外取締役です。監査役2名はともに社外監査役です。 その選任にあたっては、それぞれが持つ企業経営や財務などに関する高い専門性、経験を当社の経営に生かすことができるかどうか、客観的な立場から当社の経営を監督できるかどうかなどを基準としています。 特に、大きな経営判断が必要な状況においては、中長期的な視点を持って専門的知見を発揮し、適切で公正な意見を積極的に述べることが必要な役割であると考えています。 2025年度には取締役会を6回開催し、社外取締役及び社外監査役の出席率は81%でした。社外取締役及び社外監査役に対しては必要に応じて議案の事前説明等を行うことで、 社外からの経営監視を機能させるとともに議論を活発化させ、取締役会の実効性確保を図っています。また、適切な会社運営を行うための仕組みとして、週に1度、常勤役員による役員会を開催し、 業務の執行状況等について協議を行い、必要に応じて取締役会に報告を行うものとしています。引き続き、取締役会を通じた業務執行の管理・監視の重要性を十分に認識したうえで、会社運営を進めてまいります。

(2)重大事案発生時には、情報開示に努めるとともに、信頼回復に向けた施策に取り組みます。

 当社では、経営に影響を及ぼしかねないコンプライアンス違反などが発生した際には、常勤役員会もしくは危機管理委員会で状況の共有と対応の検討をしたうえで、 社外取締役及び社外監査役へ報告・説明を行い客観的視点から助言を受け、記者会見やプレスリリースで情報公開に努めることとしています。2023年に24時間テレビの寄付金着服が発覚した際には、 当社の代表取締役会長と代表取締役社長が記者会見をしたうえで、当社のローカルニュース番組にも出演し、経緯の説明と謝罪を行いました。 その後も再発防止策や募金活動を実施するうえでの当社の方針等について、テレビ放送とホームページにおいて積極的な情報公開と丁寧な説明に努めてきました。 二度とこのような不祥事を起こさないという強い思いを持ちながら、適切な組織運営のための体制の構築を検討し続けてまいります。 今年度は、取締役会での助言を受けながら、業務におけるコンプライアンス上のリスクを洗い出し、点検・評価を実施するリスクマネジメントを導入することを予定しており、今後も取締役会の適切な監督・助言等に基づき、 ガバナンスの強化を図ってまいります。